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「夕焼けちょおきれい、太陽沈んでからが最高。空の血の涙」
「詩人ですね、部長」
「やめてよ、恥ずかしいから」
「もうちょっとうまく返せよ」
「え、あ、すいません」
「みずほちゃん謝るところじゃない、るりぃが悪い」
「はぁ? なにそれー」
「あの」
「ん?」
「暗くなってきましたね」
「そうだね、五時にはまっくらだよ」
「そろそろ上がろっか」
「そだね、はい、タオル」
「あ、ありがとうございます」
「準備いいでしょ?」
「さすが、経験豊富」
「まぁね、わたし実質部長だから」
「それわたしの前で言う?」
「すません! 木畑生物部部長!」
「みずほちゃん、結局海入らなかったねー、惜しいことしたなぁ」
「すいません、今度は、靴下にします」
「今度? やる気だね?」
「あ、いや、その、別に」
「でもみずほちゃん、一回目にしてはリラックスしてるよ、部長なんてもっとがちがちだったよ」
「それは認める」
「そうですか? その、自分でもどうなるか分からなくて、でも」
「でも、楽しみ?」
「あ、いや、それは」
「言葉にできないよね。辛くて、痛くて、恥ずかしくて、でも」
「さすが、詩人」
「ひっぱるねー!」
17:00〜 大きな変化は見られないが、ときおり重心を
左右に動かすような仕草あり
表情は明るい。言葉もはっきりとしている
「座る? あっち」
「そだね、明かりもあるし」
「あ、それとも、暗いほうがいい?」
「えーと、暗いところ苦手なので、明るいほうがいいです」
「暗いとこ怖いの? かわいいー!」
「やばいよ、部長の変なスイッチ入っちゃうよ!」
「変じゃないっしょ、いいじゃん、かわいいんだから」
「あ、その」
「ほら、リアクション困ってるじゃん」
「もぉ、かわいい。ぎゅってしていい?」
「えっ」
「百合だよこいつ。名前はるり、だけど」
「つまんねー! っていうか、百合とか言うな、百合とか」
「だってそうじゃん」
「そういうあんただって」
「あんただって? 何?」
「ううん、言わない」
「えー、なんですか?」
「学校戻ったら教えてあげる」
「今さら、な感じするけどね」
「まぁね」
「あの、質問してもいいですか?」
「ん? 部長がタチかネコか?」
「だまれ小太り」
「小太りじゃない、ゴージャスグラマラス」
「で、何?」
「スルーかよ」
「あの、部活中に外出して、ほんとに大丈夫なんですか?」
「あぁ、沿岸の生物観察、で学校の許可取ってるから、7時までに戻れば大丈夫だよ」
「そうですか」
「あんまり頻繁にやると注意されるけど、月イチくらいなら全然へいき」
「そうですか、よかったです」
17:30〜 防波堤、座った姿勢。
足を組みかえる仕草、度々見られる
上半身を前後に揺らす様子、ややあり
表情、発言などに変化は見られず
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