中学1年生 1月 つづき
家までバスなんですけど、バス降りたら、あ、病院行かなきゃ、って。なんかもう、いま行かなくていいだろ、みたいなタイミングなんですけど、その時はすぐ病院行かなきゃいけない気がしてて。
歩いて15分くらいかな、近所の病院行って。
診察券とか全然持ってなかったから、いろいろ書かされるんですよ。で、熱計って、やっぱり39度くらいあって。自分でははっきりしてるつもりだったのに、何やってるんだかよく分からない感じっていうか、あの、やっぱりふらふらだったんです。へろへろ、かな。
それで、そんなに他の患者さんもいなかったんですけど。待合室のソファー座ってて。診察のとき胸見せるよなー、ブラに学校の名前書いてあったら恥ずかしいなー、とかワケワカランこと考えてたんですけど。
笑わないで下さいね?
ほんと、へろへろだったんです。
ほんとに。
へろへろ。
で、またしちゃったんです。おもらし。
今度はおねしょじゃないんですよ! ちゃんと起きてましたもん! 診察終わって待ってた時なんですけど、あ、おしっこ、って頭では分かってたのに、なんていうか、からだが我慢してくれなかったっていうか、おトイレ行かなきゃ、って思った時にはもう、じわじわぁって、出ちゃってて。
完全に判断ミスでした。すぐにおトイレ行けばまだ何とかなったかもしれないのに、とっさに「隠さなきゃ!」って思っちゃって。コート脱いでたんですけど、それでズボン隠して、おしっこ止まれ! って。一度出ちゃったら、我慢できるわけがないって、普通なら思うんですけど。
病院のソファーって、なんて言うんですか、ビニール張り? みたいなやつで。ぜんぜんおしっこ吸収しなくて。あっと言う間に広がって、でもみはる、コートで拭こうとしてるんですよ。もう、ほんとなにやってるんだ。
で、ちょっと離れた席に座ってたおばさんが「ちょっとちょっと、大変よ!」みたいな感じになっちゃって。ばれちゃった、お願いします、騒がないで下さい、なんてこころのなかで叫んで。また泣きそうです。隣の席で女の子がおもらししてたら、騒がない方がおかしいんですけどね。
で、看護師さんが来てくれて。受付からもひとり来てくれたかな。みはる、ごめんなさいを繰り返してました。ほんと、どうしていいか分からなくて。
看護師さんに立たせてもらって、おトイレに連れてってもらって。ごめん、こんなのしかないけど、って、看護師さんの私物だったんですけど、黒の、あの、おばさんがよく穿いてるジャージみたいなズボン、タオルと一緒に持ってきてくれて。ほんと、ごめんなさいしか言えなかったです。
着替えて待合室戻ったら、もうきれいに掃除がしてあって。隣のおばさん、まだ居て。
「気にしちゃダメよ、失敗は誰にでもあるんだから」みたいなこと言ってくれて。なんだこの状況、って。
で、お薬もらって。お金払って。ズボンはいつ返してくれてもいいからねって言われて、病院出たんですけど。
ここからはもう笑ってください。
上は学校ジャージ、あ、これ水色なんですけど。下は黒のおばさんズボン、で、しかも、のーぱん。替えのぱんつ持ってたんですけど、もう一回おトイレ入って着替える勇気はなくて。で、おもらし制服の入った袋と学校鞄と、びちょびちょのコート両手に提げて、へろへろで歩くみはるの図。もうなんなんでしょうね。恥ずかしいって言うか、恥ずかしいとしか言いようがないです。ああぁ、思いだしただけで恥ずかしい! もぉやだ! インフルほんとやだ!
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